【勉強会】難治性腹水と腹腔穿刺
たつき在宅クリニックでは腹腔穿刺も行っております。
先日も難治性腹水のある患者様に腹腔穿刺を行い、腹水排液を行いました。
事前に院長が腹水と穿刺排液について院内勉強会を開いてくれました。内容の一部をご紹介します。
腹水の原因は慢性肝疾患が最多で8割以上を占めるそうです。
他には悪性腫瘍、心不全、結核、透析、膵炎、ネフローゼなどがあります。
肝硬変に伴う難治性腹水治療のポイント
・食欲を損なわない程度(5-7g/日)の緩やかな食塩摂取制限を加える。
・治療開始はスピロノラクトン25-50mgが第一選択だが、フロセミド10-20mgと併用することが多い。
・腎保護の観点から、フロセミドの増量よりトルバプタンの導入を優先する(ただし、入院を要す)。
・難治性腹水では、大量腹水穿刺排液・CART療法も有効である。
・最近はアルブミン投与も見直されており、5L以上の大量排液には8g/dL程度のアルブミンを投与することが推奨されている。
お腹に水が溜まったらパンパンになって苦しくなり、ごはんもなかなか食べられなくなります。
今まで入院して水を抜いてもらっていた患者様が、自宅でも腹水を抜く治療ができて楽になったと大変喜ばれていました。
排液が終わったら1‐3時間後に訪問看護師さんに患者様の状態を確認してもらっています。
腹水を抜くと一時的にふらふらしたり、めまいがしたりすることがあるためです。
日頃からの訪問看護師さんとの連携は欠かせません。いつもありがとうございます!
肝硬変の患者様、進行がんの患者様で頻回の腹水排液が必要でしたら、いつでもご相談くださいね。